痛風と高尿酸血症

痛風と高尿酸血症

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痛風とは?

 

痛風と聞くと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 

その名前の通り、風が吹いただけで痛みが伴うという理由から痛風と呼ばれています。

 

ただ、名前の由来は諸説あり、強く吹いたり弱く吹いたりする風のような痛みを繰り返す症状があるために痛風と名づけられたという説もあります。

 

痛風は尿酸と呼ばれる物質が原因で、足の親指の付け根あたりに急激な激痛が伴う発作のことを言います。

 

その痛みを伴う発作症状を指して痛風と呼びます。

 

その痛みは強烈で、大の大人でも何日間か歩けなくなったり、人によってはそのあまりの痛さ故に気を失って病院へ運ばれることもあります。

 

私がこれまで接したことのある患者さんの中では、痛風はハンマーで思いっきり殴られたかのような痛みだったと聞いたこともあります。

 

ただ、痛風発作は長期間続くものではなく、1週間〜10日程度で完全に痛みや不快感などは無くなります。

 

といっても、一度なってしまうと発作を繰り返してしまうので、適切な治療が必要になります。

 

痛風の原因

 

痛風の原因となる病名は高尿酸血症と呼びます。

 

高尿酸血症は、尿酸(プリン体の老廃物)の血液中の濃度が異常に高い状態を指します。

 

高尿酸血症が続くと、血液中に溶けきれなくなった尿酸が体内で結晶化します。

 

結晶化した尿酸が関節などに沈着することで痛風のような関節炎を引き起こします。

 

痛風は一生治らない??

 

痛風は一度なったら治らないと言われています。

 

確かに一度痛風になってしまうと適切な治療をし続けなければ、一定期間ごとに発作を繰り返し、その期間も段々と短くなってきます。

 

そのため、一生涯に渡り治療を続けなければいけなくなるということも確かにあります。

 

ただ、痛風の薬も効果が高いものが開発されており、医師が処方する量を適切に飲んでいれば痛風発作が起こらないようにすることも可能です。

 

痛風は、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病と密接な関係があり、生活習慣や食習慣を改善し、尿酸値を安定させることで、薬の服用も中止することができます。

 

痛風の原因として有名なアルコールの摂取も量と飲み合わせを知っておけば、そこまで厳格に制限する必要もありません。

 

最近では食品に含まれるプリン体の量がそこまで尿酸値に影響しないということもわかってきているので、プリン体の過度な制限を行うこともありません。
むしろ過度な食事制限をすることで、かえってストレスになり、それが原因で痛風発作が起こることもあります。

 

痛風は上手な付き合い方を知っておけば、そこまで怖い病気ではありませんが、放置し悪化してしまうと発作だけでなく、尿路結石や腎障害などの合併症を引き起こすことがあります。

 

痛風発作以上に恐ろしいのはその合併症です。

 

既に痛風発作をお持ちの方や、検診などで尿酸値を指摘されたことがある方は、できることからでいいので生活習慣や食習慣を気を付けてみましょう。

 

 

 

 

痛風の原因〜高尿酸血症〜

 

激しい痛みを伴う痛風ですが、何が原因になって起こるのか皆さんは知っているでしょうか。

 

既に痛風を患っている方はご存じかと思いますが、痛風発作が起こる原因は高尿酸血症です。

 

高尿酸血症は血液中の尿酸が何らかの理由で過剰になった状態のことを指します。

 

尿酸が体内で過剰になった状態が続くと、尿酸が結晶化して関節などに溜まります。

 

結晶化した尿酸が異物として認識されることで体の中では免疫反応が起こります。

 

その免疫反応によって腫れや激痛が引き起こされるのです。

 

高尿酸血症の診断基準

 

日本では血清尿酸値(UA)、つまり血液中の尿酸値が7.0mg/dl以上を高尿酸血症と診断しています。

 

この基準に男女差や年齢差はなく、7.0を超えた時点で全員が、高尿酸血症と診断されます。

 

高尿酸血症になったからといってすぐに痛風発作が起きるわけではない

 

痛風の原因は高尿酸血症ですが、診断されたからといってすぐに痛風の発作が起きるわけではありません。

 

尿酸が体の中で結晶化し、発作が起きるほどに蓄積されるには数年〜10年程度かかるといわれています。

 

つまり、高尿酸血症になった時点から痛風になるまでには数年から10年程度は猶予があるということになります。

 

しかし、尿酸の結晶が蓄積すると痛風の発作だけではなく、腎障害のリスクも高まることが知られています。

 

しかも一度痛風発作が起きてしまえば、現在の技術では完治することはなく、一生薬物治療を行っていく必要があります。

 

そのため、高尿酸結晶と診断された時点で生活習慣を改善し、痛風や腎障害が起きる前に高尿酸血症を改善するようにしなければいけません。

 

 

 

尿酸とは?尿酸とプリン体の関係

 

尿酸と聞いても痛風と結びつかない人も多いと思いますが、プリン体と聞くとあっと思う人も多いと思います。

 

プリン体はどのような食品にも含まれており、体内で代謝を受けると尿酸が生成されます。

 

尿酸は言わば老廃物のようなもので、健康な人の場合そのほとんどが尿から排泄されています。

 

しかし、なんらかの理由でその尿酸が体内に溜まった場合に高尿酸血症になってしまいます。

 

尿酸が作られる過程

 

1)食品中のプリン体から代謝されて生成

 

プリン体はDNA、つまり遺伝子の本体である核酸と呼ばれる物質の主要成分になったり、筋肉などを使用する際のエネルギー伝達物質としても活用されています。

 

そのため、プリン体はあらゆる生物の細胞中に存在し、ほぼ全ての食品と一部のアルコールに含まれ、ヒトは日常的に摂取しています。

 

食事から摂取したプリン体は肝臓に運ばれ、分解されると尿酸が老廃物として作りだされます。

 

2)食品中のたんぱく質から生成

 

1)とは異なり、たんぱく質を摂取した場合にも尿酸は作られます。

 

一部のたんぱく質は体内でプリン体を作りだします。

 

作り出されたプリン体は遺伝子の成分として利用された後に、老廃物である尿酸が作りだされます。

 

通常はこのようにして1日に約700mg程度の尿酸が作り出されています。

 

しかし、健常人の場合は食事などから作られた尿酸と同じ量を、腎臓から尿として、汗腺から汗として排泄されています。

 

そのため基本的には尿酸値が上がることはありません。

 

尿酸の働き(抗酸化)

 

尿酸は老廃物(ゴミ)として悪者扱いされることが多いですが、ヒトなど一部の生物にとっては必ず必要な物質です。

 

尿酸には強い抗酸化作用があり、ビタミンCの抗酸化作用よりも強いと言われています。

 

人間などの一部の生物では、ビタミンCの合成が自力でできないため不足しやすく、その分を尿酸の抗酸化作用で補っています。

 

ただし、人間の体内では尿酸をそれ以上分解することができないため、体内に溜めすぎると痛風のような病気になってしまうという欠点があります。

 

そういったデメリットがあるものの、体にとって最低限必要な物質であると言えます。

 

 

 

痛風の初期症状と診断

 

痛風の初期症状

 

痛風の初期症状は、特に無症状の状態から急性的な関節炎を発症し、激痛を引き起こします。

 

この関節炎のことを痛風発作と呼びます。

 

ほとんどの痛風発作は下肢の第一中足趾(そくし)関節、つまり親指の付け根に起こります。

 

痛風関節炎は発作後、歩行困難になることも多いですが、数日から10日程度で症状は軽快し、次の発作までは全くの無症状になります。

 

痛風の診断

 

痛風の診断にはまず痛風と高尿酸血症を分けて考えなければいけません。

 

痛風の原因となる高尿酸血症はあくまで血液中の尿酸値が通常よりも高い状態であるというだけで、症状はありません。

 

高尿酸血症が持続した結果として、足指などの関節に尿酸でできた結晶塩が痛風を引き起こすのです。

 

といった理由から痛風と高尿酸血症は同じ意味ではありません。

 

高尿酸血症と診断されたから、痛風だと思い込んでしまう人もいますので注意しましょう。

 

痛風は、足親指またその他の足指に腫れを伴う急性関節炎が起きた場合に診断されます。

 

しかし、痛風発作と同じような症状がある病気もあるため、初回時の発作では簡単に痛風と診断することはできません。

 

しかも痛風発作時には尿酸値が低い場合も多く、発作時の尿酸値では診断の基準にはなりません。

 

痛風の診断としては、

 

@以前より高尿酸血症の指摘があった

 

A足指に限った急性関節炎を繰り返している

 

この二つが揃っている場合、比較的簡単に診断されます。

 

ちなみに痛風の診断基準は、日本では糖尿病などのようにはっきりとした診断基準がありません。

 

 

 

痛風になりやすい年齢

 

痛風になりやすい年齢というものがあります。

 

年齢が上がれば身体の老化で代謝が悪くなるため、痛風の原因である尿酸が体外に排出されにくくなります。

 

しかし、最近では20代の高尿酸血症患者も増えてきており、治療が進歩した現代でも予防が重要視されています。

 

高尿酸血症の年齢別頻度

 

このグラフは近年の男性高尿酸血症の頻度を表したものになります。

 

このグラフを見ると最も高尿酸血症の頻度が高い年齢は30代の男性となっていますが、最近では20代男性の割合も増えてきています。

 

数値だけを見ると40代の男性が意外と少なく思えるかもしれません。

 

しかし40代男性の場合、すでに痛風を発症し、薬物治療などで尿酸値を抑えている人が多いために割合は少なくなっています。

 

30代頃に尿酸値を指摘されたが気にせずに放置して、40代で痛風を発症というケースが多く見られます。

 

痛風は増加傾向にある

 

男性における痛風は20〜60代までの全ての年齢で増加傾向にあるという報告があります。

 

痛風は生活習慣病との関わりが深く、食生活の乱れや運動不足などの要因があげられます。

 

 

痛風の治療

 

現代の痛風治療は1980年代までに確立し、2000年代においても治療法はほとんど変わっていません。

 

痛風治療の歴史はとても古く、紀元前5世紀頃に医学の神と呼ばれたヒポクラテスの著書にも現代で使用されている痛風治療薬の代名詞コルヒチンが記載されていたといわれています。

 

痛風の治療と薬

 

痛風の治療は基本的に薬物治療が主として行われ、発作を抑えることを優先して治療します。

 

痛風発作の前兆期、極期ごとに使用される薬は異なり、程度によっては手術を行うこともあります。

 

@痛風発作前兆期

 

痛風発作の前兆期、つまり発作初期にはコルヒチンという薬が用いられます。

 

コルヒチンには直接痛みを抑える作用や尿酸値を下げる作用はありません。

 

痛風は関節に沈着した尿酸を異物として捉えた白血球が間違えて攻撃してまうことで発作が起こります。

 

コルヒチンは沈着した尿酸に白血球が集まらないようにする効果があり、発作後の投与が早ければ早いほど効果的に作用します。

 

投与が遅れるとほとんど効果がないといわれています。

 

A痛風発作極期

 

痛風発作の極期、治療が遅れた場合はコルヒチンが効かないため非ステロイド抗炎症薬(NSAID)が用いられます。

 

NSAIDは短期間に多量投与することが原則として用いられます。

 

高い確率で痛風発作が治まりますが、腎障害の悪化や胃潰瘍の病変、ワ−ファリン(血液凝固抑制剤、心筋梗塞などに用いる薬)との相互作用などがあり、注意も必要になります。

 

Bコルヒチン、NSAIDが使えない場合

 

発作後長時間立った場合や、ワーファリンなどを服用していてNSAIDが使えない場合は一般的に副腎ステロイドを用います。

 

その他にも足指だけでなく、他の部位にも関節炎が多発している場合などにも用いられます。

 

痛風発作が起きた場合の注意

 

明らかに普段では考えられないような痛みがある場合は、必ず病院に行きましょう。

 

それが仕事中であってもです。

 

痛風だけではありませんが、処置が遅れれば遅れるほど治療に時間も費用もかかりますし、再発もしやすくなります。

 

人によってはまだ我慢できる痛みだったりすることもありますが、明らかに今まで感じたことのないような痛みがある場合は病院を受診しましょう。

 

 

痛風と運動

 

痛風などや高血圧、糖尿病などの生活習慣病の治療には適度な運動が必要不可欠です。

 

しかし、運動の仕方によってはむしろ逆効果な場合があるので注意しましょう。

 

 

痛風には激しい運動がNG?

 

痛風の治療では軽めで適度な運動であれば減量と尿酸値の減少に効果がありますが、激しい運動はかえって発作を誘発してしまいます。

 

ランニングやサッカーなどの激しい運動は汗を多量に失います。

 

急激に多量の汗をかくと体の水分が失われます。

 

その結果、血液の濃度が濃縮されるために尿酸が結晶化しやすくなり痛風発作を引き起こしやすくなります。

 

他にも、尿酸は酸性の条件下で結晶化しやすいという性質を持っています。

 

激しい運動をすると、乳酸と呼ばれる産生の物質が体内で多量に作られるため、体液が酸性に傾き、痛風発作を引き起こしやすくなります。

 

痛風に適した運動とは?痛風の運動療法

 

痛風患者の方にはジョギングやウォーキング、サイクリングなどの軽めな運動が適しています。

 

軽めな運動においても汗のかきやすい日中はなるべく避けて、夕方や早朝などの比較的涼しい時間帯に運動するように心掛けてください。

 

運動前、運動後は必ず十分な水分補給をすることを忘れないようにしましょう。

 

適した運動時間 目安

ウォーキング

ジョギング

サイクリング

水中ウォーキング

30分程度

20〜30分程度

40分程度

15分〜30分程度

 

運動する前に

 

運動を始める前には必ず担当医師の許可を取ってからにしましょう。

 

痛風の発作は起きやすい時期というのものが個人差であります。

 

発作が起きやすい時期に運動を行うとかえって逆効果になり、発作が起きやすくなってしまいます。

 

必ず医師に相談してから始めるようにしましょう。

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