元病院管理栄養士が解説 未経験から病院の管理栄養士へ転職する方法

元病院管理栄養士が解説 未経験から病院の管理栄養士へ転職する方法

※当サイトでは一部広告を使用しています。

未経験から病院の管理栄養士へ転職するのは、令和になった現在でも変わらずハードルは高いです。しかし最近は病院の管理栄養士求人が増え、転職サイトでも見かけるようになったのでチャンスは増えています

 

委託給食会社や保育園、特養や老健から病院へ転職したいと思っている管理栄養士も多いはず。そこで転職経験豊富な元病院管理栄養士が、病院を目指す方のために転職活動のコツと心構えをお教えします。ぜひ参考にして病院の管理栄養士を目指してくださいね!

 

 

おすすめ記事▼

未経験から病院の管理栄養士に転職はできるの?

未経験から病院の管理栄養士になるハードルは高いといいましたが、実際に転職するのは難しいのか気になるところですよね。私の周りでも未経験から転職した栄養士は数多くいますし、大学もあまり有名校ではなかったですが今も病院で働いている人は一定数います。大学や経験問わずやる気とタイミングさえ合えばチャンスは大いにあります。

 

病院の管理栄養士 経験不問求人はどのくらい?

経験不問求人

全国管理栄養士求人数
(R5年1月ハローワーク調べ)

1469件 経験不問求人数 860件

 

ハローワークの管理栄養士病院求人の経験不問求人件数は860件で、全体の58%でした。ただし、経験不問となっていても「経験者優遇」の記載がある可能性も高いので、すべての求人が未経験で雇ってくれるかは分かりません。

 

また経験不問の場合に必ず見た方がいいのが業務内容の記載です。栄養指導や管理といった曖昧な記載であれば未経験でも可能ですが、NSTや病棟配置など専門的に栄養管理をしている記載があると一気にハードルが上がります。

 

未経験から病院に転職した管理栄養士は実際にいるの?

新卒を除いて、未経験から病院に転職してくる管理栄養士は数多くいます。私は過去三か所の病院で働いてきましたが、その半数かそれ以上は未経験から病院へ転職してきた人でした。前職はドラッグストアから委託給食、小学校教諭まで様々でしたが最低限栄養士としてどこかで働いていた経歴がある人の方が多かったです。逆に言えば何かしらの栄養士経験は必須とも言えます。

 

未経験から病院の管理栄養士になるにはタイミングと応募する求人の数が重要

未経験から病院へ転職するにはどんな経験をしてきたかよりも、タイミングと求人に応募する数が重要。やはり経験不問求人には多くの栄養士が応募するためライバルは地域問わず多いので、いい求人を見つけたらとりあえずは応募してみるのが大切です。

 

しかし在職中ではなかなかハローワークに行く時間が取れなかったり、休日の日にわざわざ行くのも大変なのでモチベーションが下がってしまいがちですよね。最近ではエイチエが運営している栄養士人材バンクでも病院求人が増えてきたので、在職中の場合や転職の相談をしたい人、できるだけ転職活動に時間をかけたくない人にはおすすめです。

 

未経験で病院の管理栄養士求人を探す方法

未経験から病院の管理栄養士になるためには、求人をできるだけ多く探すことが一番の近道です。そもそも病院求人自体があまり多くないので、使えるサービスはしっかりと活用して常にアンテナを貼っておくようにしましょう。

 

1.転職エージェントに相談する(転職サイト)

ここ数年、栄養士専門の転職サイトも求人の質・量ともに向上し、転職エージェントの対応も良くなってきました。ハローワークと違い、住んでいる地域で求人を探してくれたり、気になっている病院の雰囲気や裏情報を教えてくれたりもします。またハロワにはない求人もあるので病院を目指すのであれば登録はしておくべきでしょう。

 

数ある栄養士専門の転職サイトの中でも栄養士人材バンクはLINEやメールでの相談ができるので、時間がないときにも簡単に相談ができ、実際に使っている人もかなり増えてきています。Twitterなどでもかなり良い口コミが多く、このサービスを利用して転職した人も多数います。

 

 

Twitter口コミ

 

 

2.ハローワークで探す

病院の管理栄養士を求人を探すなら、ハローワークのインターネットサービスも活用しましょう。応募するためには求職者登録するために最寄りのハロワに行かなければいけませんが、探すだけなら登録せずに探すことが可能です。

 

ハロワインターネットサービスで病院求人を探すときですが検索にコツがいります。詳細設定をせずに探してしまうと委託給食の求人が出てきてしまうので分かりにくいです。できるだけ病院求人に絞る方法を解説します。

 

病院求人に絞る方法

 

1)ハロワ求人検索画面の下部に【詳細検索条件】の欄があるのでクリック
2)詳細検索条件の中に【希望する産業】の欄があるので、産業分類の空欄に83(医療業)を入力する。
3)フリーワードで管理栄養士と入力するか、希望する職種欄で栄養士を探して検索する。
※備考
 ・地域は任意で設定
 ・詳細条件検索に経験不問が選べるチェック項目があるので任意で設定

3.病院のHPを確認する

 

あまり一般的ではなくなってきましたが、HPで職員募集をみて募集があれば電話してみるも一つの手です。特に総合病院の管理栄養士求人はハロワに掲載すると応募者が殺到するため、ひと昔前は病院HPにしか求人が掲載されないことが多かったです。最近では中間業者(転職サイト)を雇って、転職エージェントがふるい分けするのでHPに掲載することは少なくなっていましたが、可能性は0ではないので通える地域の総合病院などのHPはチェックしておきましょう。

 

筆者の経験上、実際にいくつか面接を受けたことがあるので気になる病院があればとりあえずはHPをチェックしてみる習慣をつけるといいですよ。

 

4.大学の先生に紹介してもらう

タイミングが重要になりますが、出身大学の先生に病院の求人を紹介してもらうのも良いでしょう。特に臨床栄養の担当教員は臨地実習のために多数の病院にコネクションを持っています。たまに顔を出して病院の管理栄養士求人を探していることを話していれば、斡旋してもらえることもあるので時間を見つけて会いに行ってみましょう。

 

5.Twitterで求人を探す

意外と思うかもしれませんが、最近ではTwitterでも病院の管理栄養士を募集していることがあります。筆者のフォロワーさんの中にも役職についている管理栄養士が居て、たまに募集しているのをみかけます。私が見た限りでは特に問題のある病院ではなく、むしろしっかりとした運営をしている総合病院だったりすることもあるので気になる方はチェックしてみましょう。

管理栄養士が未経験から転職しやすい病院は?

未経験の管理栄養士でも転職しやすい病院があります。もちろんそういった病院も応募者が多いため、難関ではありますがタイミングによってはすんなり決まる場合も。これまでに三か所の病院で経験のある筆者が解説します。

 

1.50〜100床前後の私立一般病院

50〜100床前後の病院は、比較的規模が小さくそこまで専門的な栄養管理を行っていない場合があります。そのため未経験の管理栄養士を雇うことも少なくありません。下手にNSTなど専門的な経験のある管理栄養士を雇っても、すでに働いている上司と合わなかったりする可能性があるためです。また給与面も経験に応じてそれなりに払わないといけないため、必ずしも経験者が優位とは限らないのです。

 

2.糖尿病や腎臓病などの専門病院(特に食事に力を入れている病院)

糖尿病や腎臓病などの専門病院も意外と未経験を雇ってくれる場合もあります。以前筆者が勤めていた糖尿病専門の病院も未経験から入職した管理栄養士が多数いました。理由として専門病院は床数も少なく、緊急入院が少ないためそこまで忙しくありません。どちらかといえば食事にフォーカスして指導を行うことがメインなので、委託などで給食経験があれば雇ってもらえる可能性が高いためです。

 

3.直営給食の病院

委託会社を雇わず、直営の給食をしている病院であれば未経験でも雇ってもらえる可能性は高くなります。直営給食の病院は業務が多岐に渡り残業も多く、良くも悪くも退職者が後を絶たないためです。厨房が人手不足のときには仕込みや調理を手伝うこともあり、臨床に専念できないといったこともあります。

 

しかし、仕込みから調理などの給食管理から臨床まで幅広く学べるといった点では大いにメリットになります。近年給食管理は委託されている場合が多いので、そういった忙しい環境で経験を積むと将来的にどこへ行っても仕事ができるようになるので挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに筆者は新卒の頃、総合病院で厨房業務から指導やNSTまで幅広く経験できたおかげで他の病院へ行っても重宝されました。また請負でレシピ開発から臨床分野の記事執筆まで幅広く業務を受注できるので助かっています。最近はほとんどの病院が給食を委託しているので、もし気になる直営の求人があればすぐに応募してみた方が良いでしょう。悩んでいる間にチャンスを逃してしまいます。

 

 

病院の管理栄養士には勉強する意欲を見せる自己PRを書こう 参考例あり

病院で勤務をしたことがない管理栄養士に求めるものは勉強する意欲です。未経験の時点で臨床の知識はないと判断されるため、どちらかといえば勉強する意欲があるかどうかを見られるでしょう。また履歴書や職務経歴書、面接対策など不安面があればハローワークや栄養士人材バンクでも相談にのってもらえますが、ハロワ職員は医療関係などの分野に詳しくはないので転職サイトのエージェントに頼むと自宅でもできるのでおすすめです。

 

 

 

履歴書や職務経歴書で勉強する意欲をしっかりと伝える

勉強する意欲を伝える手段としては、履歴書や職務経歴書に記載する自己PRです。面接では書類を見ながら人となりを見られるのでまずは自己PRがしっかりできるように書類に書きましょう。よくある自己PRですが働きながら学びたいと書くのは絶対にNG。職場は学校ではないので学ぶための場所ではありません。

 

勉強する意欲は5W1Hを使って、具体的にどのように学び自主的に仕事に活かそうと考えているのかを伝えられるようにしましょう。下記の例を見て自己PRを考える際に参考にしてください。※実際には現状の仕事内容をもっと深堀して他にも自己PRできる要素を書きましょう。

 

自己PR参考例

私は元々祖父が糖尿病で独居だったこともあり、なかなか食事管理ができず大変そうだったのをまじかで見て、栄養を学び人の役に立ちたいと考え管理栄養士になりました。そういった経緯から病院の管理栄養士として臨床分野で働きたいと考え、仕事終わりに自宅で参考書を購入し勉強したり、できるだけ休日に栄養士会や職場の栄養セミナーにも参加したりして自主的に臨床栄養を学んで参りました。しかし現在働いている(委託給食)では給食管理以外の業務ができず、直接患者様と接する機会がないため学んだことを活かすことができません。臨床経験はありませんが、現職で学んだ治療食や調理方法、自身で学んできた臨床栄養の知識を活かし、患者様のより良い栄養管理ができるよう務めて参りたいと思っております。