社会人から栄養士・管理栄養士になるには?経験者が解説します!

社会人から栄養士・管理栄養士になるには?経験者が解説します!

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社会人から大学へ通い、管理栄養士となった栄養士専門サイト管理人の田井稜です。現在は病院や食品メーカーを経てフリーランスの管理栄養士として活動しています。

 

TwitterなどSNSでフォロワーの方より「社会人から管理栄養士になりたいのですが〜」といった質問がよくあるので、経験者が詳しく解説します!社会人から栄養士になりたいと考えている人は是非参考にしてくださいね!

 

栄養士になるには全日制の大学や専門学校に行く必要がある


栄養士や管理栄養士は病院や介護施設、食品メーカーなどで活躍できる人気の資格ですが、栄養士を取得できる通信制や夜間性の学校はありません。また栄養士・管理栄養士ともに国家資格になるため、一般資格とは異なりWEB受講などでも取得できないことを知っておきましょう。

 

社会人から栄養士になるためには、最低でも全日2年制の短大か専門学校に通う必要があるということになります。そのため、社会人から栄養士を目指すのであれば、基本的に日中に仕事をすることはできないため、フルタイムの仕事をしている人には難しいでしょう。

栄養士と管理栄養士の違いとは?

 

【栄養士】と【管理栄養士】はどちらとも国家資格ではありますが、大まかな違いは以下の四点です。

1.免許の交付場所
2.なり方の違い(年数と学校)・国家試験の有無
3.業務内容の違い
4.給与面

 

さらに詳しく⇒栄養士と管理栄養士の違い│栄養士法

 

1.法律上の違い
 まず栄養士と管理栄養士はどちらも「栄養士法」に定められた資格ではありますが、交付される場所が異なります。栄養士は都道府県知事、管理栄養士は厚生労働大臣から交付されます。

 

2.なり方の違い
栄養士は栄養系の短期大学又は専門学校で必要な単位を取り卒業すれば、国家試験を受けずに資格が取得できます。

 

しかし、管理栄養士は四年制大学を卒業し国家試験に合格するか、短大や二年制専門学校で栄養士取得後3年以上の実務経験をつみ国家試験受験資格を得る必要があります。

 

また四年制の専門学校もありますが、大学とは異なり必須科目を取得できないため一年間の実務経験が必要になってきます。そのため四年制大学を卒業するのが管理栄養士になる最短の方法になります。

 

3.業務内容の違い
栄養士と管理栄養士には法律上決まった業務の違いがあるわけではありません。ただし、病院や施設によって管理栄養士の配置義務があったり、栄養指導などで加算できる医療・介護報酬が得られたりと、加算できる報酬の違いがあるため業務内容が異なります

 

例えば、病院や介護施設で栄養指導を行った場合に報酬が得られるのは管理栄養士だけです。そのため、管理栄養士でないと雇わないところも多く、現在では栄養管理のほとんどを管理栄養士が担い、栄養士は給食管理や厨房業がメインになっています。

 

4.給与面
栄養士と管理栄養士の違いで気になるのは給与面ですよね。二つの資格を区分けした実際の年収を比較する国のデータはないため、大まかにはなりますが同じ職場だった場合月給では3万円程度、年収では30〜100万円程度の差があるといわれています。

 

業務内容の違いで説明しましたが、管理栄養士でないと得られない医療・介護報酬があるため、そもそも栄養士を雇っていない施設もあります。このため直接的な比較は難しいですが管理栄養士が報酬を得られる分、給与が高くなることがです。

 

ただしこれも職場によって異なり、委託給食では役職がつけば栄養士でも年収が400〜500万円程度になることもあり一概にはいえません。ちなみに筆者の新卒時の総合病院(関西)では1年目はおおよそ350万円程度でした。ご参考までに。

 

こちらの記事も参考に⇒栄養士の給料 2022年

栄養士・管理栄養士になるのにかかる費用は?

 

まず栄養士になるための平均費用(学費)は、短大で220万円、二年生専門学校で240万円程度とやや専門学校の方が高い傾向にあります。これは教科書代や入学金、実習費が含まれていないため、平均ではおおよそ250〜300万円程度はかかると思っていいでしょう。

 

ただし学費が140万円代の短大など学校によって大きく異なるのでしっかりと下調べをするようにしましょう。

 

※こちらも参考に栄養士が目指せる短大・専門学校 ランキング

 

続いて管理栄養士になるためにかかる平均の費用(4年間)は、国公立の学費で240万円程度、私立大学の学費の平均は510万円程度です。しかし私立大学でも学費が安いとこもあり、大抵は4年間で合計400万円程度になることが多いでしょう。

 

管理栄養士の学費をもっと詳しく⇒管理栄養士 大学 学費 ランキング

 

また大学では現場の臨地実習などでさらに費用がかさみ、4年間で100万円前後は余計にかかります。もし学費が心配な場合は、私立大学の多くが独自の奨学金や特待制度などを設けているので通える範囲の大学は資料請求してしっかりと調査しておきましょう。

栄養士になるには仕事は辞めるべきなの?


まず栄養士になるには全日制の学校に通う必要があるので、平日の日勤帯の仕事を続けるのは難しいでしょう。4年制大学の場合、学部のイベントや取得する授業によっては土曜日に通学する必要が出てくるのでアルバイトやパートなど、休みが取りやすい雇用形態がおすすめです。

 

また栄養学部は国家試験の受験資格を得るために一般の大学よりも必須単位数が多いのが特徴です。授業が18時頃など遅くまであることも多く、3年〜4年次になっても実習や国家試験対策で忙しいためなかなか働く時間が取れないことも。

 

そういった現実面を加味しつつ、学費や貯金額などしっかりと計画を立てて大学進学を決めましょう。一人暮らしの方だとかなり生活がぎりぎりになるので、ある程度余裕をもって貯金をしておいた方がいいですよ。

 

社会人からだと栄養士の勉強は大変?

 

正直なところ栄養士の勉強は学校で普通に勉強していればそこまで難しくはありません。ただし、他専門職に比べると栄養から食品、医療など学ぶ範囲が広く勉強慣れしていない場合は苦労することもあります。

 

また栄養士の場合は短大か専門学校を卒業さえすれば取得できるので難易度はかなり低いです。管理栄養士の場合も新卒の国家試験合格率は毎年90%前後と高いため、学校や勉強を余程さぼったりしなければ問題ありません。

 

しかし大学によっては、模試の点数が基準に満たない学生には国家試験を受けさせないいわゆる「足きり」をしている学校があるので注意が必要です。足きりをしているか確認する方法としては国家試験合格者数と実際の入学者数を比較すれば、ある程度はわかるので確認してくださいね。

 

もし栄養士だけを取得しようと考えているのであれば、既卒栄養士(実務経験後)の管理栄養士国家試験合格率が低いことを知っておきましょう。4年制大学の新卒が合格率90%前後に対し、既卒栄養士の合格率は10〜20%とかなり低くなります。

 

栄養士・管理栄養士の就業場所

 

栄養士には様々就業場所があり、食や栄養、健康、医療に関するほぼ全ての職業に精通しています。学校でどのような科目に興味を持つかで就職先も人それぞれです。

 

また一般的に「健康」といったイメージが先行する栄養士ですが、「食に関する衛生」についても学びます。そのため食品メーカーなどの企業においては開発はもちろん、品質管理部の業務との相性もよく、意外なところで働いている栄養士も多くいます。

 

こちらも参考に⇒管理栄養士 仕事内容 2023年最新

 

栄養士の就業場所一覧

病院、老人ホーム(特養・老健など)、デイサービス、保育園、小中学校、大学教員、食品メーカー、治験コーディネーター、特定保健指導員、ジム等インストラクター、研究職、化粧品開発、自衛隊、刑務所、医療雑誌ライター、料理教室、地方公務員・国家公務員、委託給食会社、スポーツトレーナー(スポーツ栄養士)など