給食委託会社で働く栄養士の仕事内容とは?

給食委託会社で働く栄養士の仕事内容とは?

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給食委託会社は病院や福祉施設、社員食堂などのクライアント先に栄養士や管理栄養士、調理師などを派遣する会社のことをいいます。基本的には給食管理が主な業務となるため、栄養士と管理栄養士に業務の差がない場合が多いです。

 

病院や施設側の管理栄養士になるには新卒や経験が浅い人では難しいので、ある程度委託会社で経験を積んでから転職するといったケースがほとんどです。また短大や専門学校卒の栄養士の場合は委託会社への就職が最も多い傾向にあります。

 

また病院や施設側の職員とは違い、あくまで委託会社側の社員として派遣されるため、給料や休日も会社側の規定に従います。最近では残業代などの支払いが100%される企業も増え、それを加味すると病院や老人ホームの職員よりも給与が高い場合もあります。

 

直営と委託の違いは?

こちらを参考にしてください⇒病院・クリニックの管理栄養士

 

 

こちらの記事も参考に⇒栄養士向け委託給食会社ランキングと口コミ

主な就業場所は?

下記、就業場所一覧のように給食が提供されているほとんどの施設に委託されています。現在では給食業務の委託率が70%といわれています。

 

就業先一覧

病院全般、特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービス、保育園、小中学校、企業や大学の食堂など

 

病院:現在では総合病院など、大きな医療機関のほとんどが給食業務を委託しています。医療現場における管理栄養士の役割が大きくなってきたことも一因です。

 

老人ホーム:規模を問わず委託化している施設が多いです。病院と比較すると施設側の規定休日数が少ないため就職先としての人気がなく、人手不足が顕著で委託しなければ厨房を回せない老人ホームが多いためです。

 

保育園:保育園の場合は、委託している施設が半分程度です。最近では保育園専門の委託会社もあり、一般的な委託給食会社は少ない傾向にあります。

 

小中学校:厨房のみを委託していることが多く、献立などは県や市の栄養士が担当していることがほとんどです。他の業種と比較すると夏や冬に長期休みがあり、休日数が多いのが特徴です。

 

企業や大学の食堂:大手でいうとタニタなども企業向けの委託給食会社になります。大手企業に入ることもあり、様々な形態があります。基本的には厨房業務がメインになるでしょう。


給食委託会社の具体的な仕事内容

クライアント先により厨房業務のみの委託や朝食のみ等、出向先でやや仕事内容が異なります。発注や献立のすべてを請け負っている場合もあれば、調理などの厨房業務だけを受託していることもあり仕事内容も一概にはいえません

 

基本的には調理や盛り付けから発注・検品、食数管理や衛生指導・管理が主な業務になることが多いです。献立内容に関しては、給食会社本部で担当の栄養士が作っていることもあります。

 

給食委託会社の本部採用

 

大手の委託会社の場合、献立や衛生指導などを担当する本部の栄養士・管理栄養士がいることがあります。大抵は土日祝休みになることが多く、本部の業務のみであれば残業も少ないです。

 

しかし、人手不足の委託先に応援という形で厨房業務に回されることもしばしばあるため残業が多くなるケースも。そのため本部での仕事は後回しになってしまうため、思っている以上にハードといわれています。

 

エリアマネージャー

大手の企業であれば関東や関西など、一定の地域を担当するエリアマネージャーという職種もありますが栄養士に限定しているわけではありません。現場の勤務からマネージャーになることもありますが、採用自体は総合職となるのが一般的です。

 

仕事内容は人員配置や現場社員のシフト管理や相談など、チェーンのファミレスなどでもあるような業務がメインになります。こちらも基本は土日祝休みですが、どうしても人手が足りない場合は応援で休日出勤となることもあるようです。


給料・賞与(ボーナス)は?

企業により差が大きいため一概にはいえませんが、年々給与が高くなっています。人手不足が顕著でなかなか人が集まらないためだと考えられます。役職や担当する施設、経験年数によっては病院などの施設職員と比べ、大幅に給与が高いこともあります。

 

給与に関して詳しくはこちら⇒管理栄養士と栄養士の仕事内容による給料・年収の違いは?

栄養士が給食委託会社で働くメリットとデメリット

働くメリット

・転職しなくても、働く場所を変えることができる。
※夫の転勤などで県外に引っ越しとなった場合にも転職をせずに働くことができる。

 

・色々な就業場所があるので様々な経験を積むことができるため、勉強になる。

 

・勉強会やセミナーを定期的に開催している企業も多く無料で学ぶことができる

 

・病院や老人ホーム、保育園などの施設職員より給与が高くなることもある

 

・求人数がとにかく多く、仕事をなくす心配はない

 

・本社勤務の場合、残業がなく土日祝休みとなる(企業による)

 

働くデメリット

・経験が少ないと給与が安い

 

・施設の職員と比較すると一般的に休日数が少ない(105〜108日程度)
・残業が多い傾向にある

 

・予期しない異動、転勤がある。※クライアント先の都合など

 

・人手不足でハードワークな現場が多い、人間関係が悪い

 

・栄養士と管理栄養士に業務上の差がないため、専門的な資格を活かせない

 

・臨床(医療)と関わることがあまりない

就業時間帯は?

就業時間帯

3:00〜20:00

 

超大規模の総合病院などでは朝3時出勤など早出出勤があります。調理は調理師が担当しますが、朝食の検品をするのは栄養士がするためです。もちろん、配属先や企業が専門としている業態によっても差があります。

 

例えば保育園では朝の勤務が早い時間でも7時からの場合がほとんどで、夕方には業務が終わることも。反対に病院や老人ホームなど、三食提供している施設では時間が長くなるケースや朝が早いことが多くなります。

 

しかし、大手給食会社であれば受託先施設が多いために人手不足に陥っている他事業所へ応援に行かなければならないこともあります。自分の担当している事業所の業務+他施設の業務になるため、必然的に業務時間が長くなることがしばしばあるようです。

給食委託会社の社員に聞いた口コミと評価

Aさん (大手給食委託会社 経験3年‐退職済み)

地方の場合は都会以上に人手不足が顕著で、通常7〜8人で回す施設を3人で回していました。そのため休みがほとんどなく、月に2日程度しか休めないことも。近年、国からの指導も厳しく残業代は全て支給されていたため、月給が40万円を超えた月もありました。

 

そういった状況なのもあって、厨房業務未経験や高齢の方でも無条件で採用するケースがあります。ただでさえ忙しい中、何も知らない人へ教える時間もなく、結局は短期で退職する人が後を絶えず悪循環でした。

 

Bさん(大手給食委託会社 経験8年・在職)

地域にもよりますが、私の働いている会社の場合は休日や給与に関しては不満がありません。役職がついた今では残業が少なくても年収が500万円を超えているので、病院や老人ホームの職員より高給だと思います。

 

また育休や妊娠中にも休みが取れたこともあり、比較的安定している現場でしたがこれも地域差があると思います。最近では人手不足のために、休日数を増やしたりできるだけ他事務所への応援を減らしたりと働きやすい環境を作ろうとしている企業もあります。