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病院の管理栄養士は令和現在でも人気の職種で、医療職としての知名度や地位も向上してきたことでさらなる飛躍が期待されています。病院といっても、総合病院を始めリハビリテーション病院や糖尿病専門病院など、高度な専門的知識を持つ管理栄養士が増えています。
病院の管理栄養士の仕事内容は、疾病者に対する栄養指導を始め、献立やレシピ、衛生管理、発注などの給食管理業務から、医師・看護師などの他医療専門職種とチームを組んで高度な栄養管理を行うNST(栄養医療チーム)の中心としての臨床業務など、広域にわたります。
他の医療職種と違い、「医療」だけではなく「食」という方面の知識も必要されることもあるため学ばなければならない範囲が広く簡単な仕事ではありません。しかし、病院の管理栄養士として経験があると介護や保育など、広い職域で重宝されるため、将来的に選択肢が広がります。
筆者自身、元病院管理栄養士として八年以上の経歴があり、今ではこのWEBサイトの運営と栄養系WEBライターとしてフリーランスの管理栄養士として働いています。
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管理栄養士に限らず病院などで働く医療系の専門職の業務内容は、基本的に診療報酬の規定によって移り変わります。
※診療報酬:医療機関で治療行為に対する報酬
例えば管理栄養士の主な仕事の1つである栄養指導ですが診療報酬では初回30分以上260点、二回目以降200点と定められています。この点数は保険点数と呼ばれ、1点10円として医療機関の報酬となります。このように病院では診療報酬に規定のない業務は収益にならないので、基本的には定められた診療報酬に乗っ取って、業務内容も決まってきます。
診療報酬に規定された業務が増えれば増えるほど、様々な業務に携われるようになります。近年、管理栄養士も例外ではなく、診療報酬の改訂でより専門的な業務に携わるチャンスが増えてきました。
低栄養の患者や大きな手術を行う患者に適切な栄養管理をすることで、入院日数が短縮されたり、合併症の予防に有用であることが証明されてきました。日本の医療費問題を解決する一つの手立てとしても医療機関や介護施設で働く管理栄養士が期待がますます期待されるようになりました。
令和4年より改訂された診療報酬でも管理栄養士の更なる発展が期待されるような内容が盛り込まれています。
周術期:手術中だけでなく入院からリハビリまで一貫した期間を指します。
全身麻酔を要する手術を行う患者に対して、医師と管理栄養士が連携し手術前後の適切な栄養管理を実施した場合に加算できる診療報酬です。
全身麻酔が必要な大きい手術が必要な患者の栄養管理を適切に行っていれば、退院までの日数が短縮されることなどが、これまでのデータから明らかになってきたため実施されるようになりました。
このように様々な領域で活躍できる幅が広がり、管理栄養士の役割も複雑化しより専門的になってきています。
近年、管理栄養士の業務が専門化していく中で、給食管理に関する業務を給食会社に委託する施設も多くなり、その数は70%を越えると言われています。そのため現在では厨房業務や給食管理を行う栄養士や管理栄養士は病院側の職員ではなく、委託給食会社の社員ということがほとんどです。
ひと昔前までは、給食管理をやって当たり前でしたが、最近では委託している病院に新卒で入ると給食管理を全く経験せずに栄養指導や専門的な栄養管理の業務のみといったことも増えてきました。給食業務を委託せずに、病院側の職員のみで運営を行っている場合をこの業界では直営という風に呼びます。(※例:直営の病院など)
委託給食の社員として病院で働いても、医療職種としての業務には関わることができず、基本的には献立や発注、検品などの給食管理業務を行います。しかし、給食管理経験があると管理栄養士として働くうえではメリットもあるのでどちらがいいといえるものではありません。
※給食管理業務の詳細は病院管理栄養士の具体的な仕事内容に併せて解説しています。
病院の管理栄養士の仕事は大きく分けると給食管理と臨床分野の仕事の二つに大別されます。今でも給食を委託せずに病院側の管理栄養士が給食管理を行っている場合もあるので、どちらも併せて説明します。
ちなみに筆者は給食管理も臨床栄養の業務どちらも経験があり、いまだに活かせている知識が多くあるので良かったと思っています。
病院では医師が指示した栄養量や食種に則り食事を提供します。医師が食事箋という患者個人に合わせた食事のカルテを作り、栄養科はその食事箋を見て名前や病棟、食事の内容が記載された食札という札を作ります。
その食札をもとに、厨房では一人一人の盛り付けが行われ、適切な食事が提供されています。最近では小児アレルギーや高齢者の食事形態の多様化(きざみ食やペースト食など)しており、給食現場で提供されている食事もかなり複雑になっています。アレルギー対応はもちろんですが好き嫌いもかなりの範囲で対応している病院も多いです。
食事内容例
例: 食種:糖尿食:
エネルギー量:Aまら糖尿食で1400Kcal、Bなら糖尿食で1600などで設定(病院によっては糖尿食T、Uなど)
形態:普通、きざみ、ペースト、ソフト食など
主食:米飯、低たんぱく米、粥、パン粥、ペースト粥など
その他:禁止食材、アレルギーなど
付加食品:エネルギー調整やタンパク調整食品など(栄養剤)
献立は大抵の場合、既にある献立に新しいメニューを差し替えるといった施設の方が多いと思います。ほとんどの病院が4〜6週間程度は毎日違う献立で、そのサイクルが終わるとまた献立が始めからになるといった感じです。
季節ごとにも献立の内容が異なり、旬の食材を用いてなるべく入院中でも四季を感じてもらえるような献立作成を行っています。
病院でもイベントによって、うなぎや鱧などの高級な食材を提供するところもあり、入院したことのない人からすると意外と豪華かもしれません。献立作成を行うときは、各疾患別の栄養量はもちろん、食材原価や厨房の設備や人員なども考慮しなければいけません。
栄養だけの知識だけでは良い献立はできません。どれだけ魅力的な献立を立てたとしても、実際に作ってみると厨房が全く回らなかったりするので、厨房の経験もある程度は必要だといえます。献立を作れるようになると、家でも調理の幅が広がったり、本を出版したりなど、色々な方面で役に立ちます。
病院の場合難しいのが各食種に対する展開だと思います。食種によってエネルギー量やタンパク、脂質の設定が全く違うので、常食(基本となる食種)をもとに糖尿病食や腎臓病食などに展開していきます。
学生や病院などの現場で働いたことのない人からするとぴんと来ないかもしれないので簡単に説明します。
例えば常食でとんかつが出たとして、糖尿病食ではエネルギー量や脂質の量を制限するためにショウガ焼きなどに変更します。小鉢料理が野菜系だと常食の食事と同じだったりします。
逆に腎臓食ではたんぱくや塩分を制限する代わりにに脂質や糖質などで補わなければいけないため、低たんぱく米(特殊な加工でたんぱく質を制限した米)を主食にし、揚げ物をあえて盛り込んだりして、栄養価を調整します。
現在では献立のソフトを使って献立を作成するので、PC上で献立を入力し、その都度栄養価を見ながら手直ししていくといった具合です。
病院にもよりますが、委託を雇っている場合でも厨房に入ることもあります。直営ならば高い確率で経験を積むために厨房に数か月間入れられることもあります。
また厨房の人員不足で厨房に入らざるを得ない場合もあるので、どちらにしても厨房業務を経験することになるかもしれません。大抵の病院では、栄養士は厨房に入っても調理メインというよりは盛り付けがメインとなることが多いです。
大きい病院では何百食と盛り付ける必要があるので、盛り付けのなどのスピードも要求されます。病院では飲食店とは違い、投薬の時間なども考慮して提供時間が決まっているので、時間に間に合わなければ命に関わることがあります。
以前いた病院で、40分ほど提供が遅れることになったときは全病棟の担当者に連絡し、投薬時間の変更などをしてもらい、かなり大変なことになったことがあります。厨房業務といえど、病院で働く以上は間接的にですが、患者様の命に関わる重要な業務だと知っておきましょう。
食中毒や異物混入などを防ぐ目的とし、衛生管理を行うのも管理栄養士の仕事です。衛生書類の作成、衛生講習会の開催、パートへの衛生指導など、衛生に関わる仕事もかなり多いです。
大量調理では、食中毒菌が一つの料理を汚染してしまっただけで、病院全体の食中毒に関わるため、飲食店などより厳しく管理しなければなりません。定期的に保健所の職員が来て、衛生監査が行われます。
監査で衛生面の不備があった場合、指導を受ける場合があります。
病院では、多種多様な食品を扱います。野菜や果物、肉、魚、冷凍食品、乳製品、パンなどはもちろん、腸などから栄養摂取をしている人用の栄養剤なども発注しなければいけません。
病院の場合、何週間かは毎日違う献立のため、毎日異なる食材を発注しなければいけないため、慣れるまでは本当に大変な作業です。ただ、大抵の病院は何人かで分担して発注を行うため、一人一人の作業量はさほど多くはありません。
一つ食材を発注し忘れただけで、何百人分もの料理が作れなくなるため、ミスは極力避けなければなりません。しかし、発注忘れというのは頻繁に起こることなので、スーパーなどに買いにいきます。私も120人分の食パンの発注を忘れ、近隣のスーパーを梯子して回ったことがあります。
※臨床:医療現場で行う医療行為全般のこと
栄養管理計画書は患者個々に栄養状態の問題点などを把握し、改善するための計画を立てるために使用します。
身体状況や栄養状態、検査結果から生活習慣や家族関係など、患者の情報を事細かに記載します。
最近では管理栄養士が栄養指導をしている姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。
栄養指導は管理栄養士の病院に対する利益を上げる重要な仕事です。
栄養指導は特定の疾患(病気)を持つ入院患者や外来患者、集団に対して、健康の維持・増進から疾病の予防を目的に
生活習慣や食事内容などを把握して、指導します。
現在は指導にかかる時間が最低30分以上と決まっています。
各疾病、検査結果、身体状況から性別を判断し、個々に合わせて栄養指導します。
病気の知識を押し付けるだけでなく、患者自身の性格や生活習慣なども加味して、その患者に合った指導を心がける必要があります。
実際、指導が不慣れだったときは、大学や自分で勉強した医療用語を並べて、恐らく一般の方にはわからない指導をしていた頃がありましたが
一度指導した後、再度来てくれることがなくなることもありました。
栄養指導は患者さんの栄養状態・病症を見極め、聞き取りをする中でその患者さんのどこに問題があり、
どうやったらその問題が解決するのかを考えて指導します。
正論だけ言っても、その患者さんの生活スタイルや性格などによっては意味がないので
しっかりと見極めて、適切な指導を行う必要があります。
患者個々のペースに合わせて、実践できるような計画を立て、指導しなければならないので、患者との信頼関係を築くことも必要となってきます。
管理栄養士には病気や食事の知識だけではなく、ヒトとのコミュニケーション能力もかなり必要になります。
NST(栄養サポートチーム)
NSTはNutrition Support Teamの略で日本語に直すと栄養サポートチームとなります。
元々は欧米各国で始められたもので、管理栄養士を始め、医師や看護師、その他の医療職種と共に、対象の患者に対して適切な栄養管理を行うために編成されたチームのことを言います。
適切な栄養管理は、栄養状態の改善はもちろん、手術などの治療効果の向上から合併症の予防、入院日数の短縮や医療費の削減などをもたらします。
近年、日本でもNSTが制度化されたのをきっかけに、NSTを行う病院も増え、管理栄養士の病院での役割も大きく変わってきています。
病院によっては、各病棟に管理栄養士が1人ずつ配置され、聴診器を持ち患者の栄養状態を専門的に把握するといった、本当の意味での医療を管理栄養士が行っているところもあります。
そういった医療現場が増えてきている反面、未だに管理栄養士過程のある大学では教育体制が整っていないとことが多く、病院での実習も他の医療職種と比べ圧倒的に少ないという現状にあります。
そのため、管理栄養士の場合は実際に現場で働きながら学会や勉強会などに参加して勉強していくというのが一般的になっています。
病院の管理栄養士は総合病院、リハビリテーション病院、糖尿病専門病院、腎臓病専門病院、クリニック等、様々な領域で活躍しています。特に最近では総合病院での管理栄養士は専門的な栄養管理を必要とされる場合も多く、
より医療職種としての地位も確立されつつあります。
全国ハローワーク求人より▼(病院・クリニック)
月給14〜44万円(基本給になります。資格手当等含まず)
賞与(ボーナス) 0〜5カ月(計二回分年間)
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※賞与は基本給×〜カ月分を二回に分けて支払われます。
都道府県に限らず、病院の経営状況や栄養科の規模によるところが大きく、比較的規模の大きい総合病院であれば給料が高くなります。反対に規模の小さい私立病院では、栄養管理をそこまで必要とされていないこともあるので給料が低くなることが多いでしょう。
しかし私立の病院などでは、その院長や事務長などの考え方によってかなりの差が出ます。糖尿病専門病院のような内分泌系(ホルモンなど)の病気を専門として扱っている病院であれば、管理栄養士が優遇されることもあり、給料がそこそこ高いといったケースもあり一概にはいえません。
病院によっては、医療収入をそのまま賞与に反映してくれるところもありますが、売上に関係なく一律の額の病院もあります。経験やスキル、持っている資格などにより大幅に高くなることもあり、管理職に至っては一般的なサラリーマンを超える場合もあります。床数も多く、病棟での栄養士配置等、栄養管理にかなり力を入れているところは就職の難易度も高いですが、やはり待遇は良くなります。
しかし田舎に限らず、未だに昭和から給与ベースが変わっていない病院もあり、正社員採用でも時給計算すると学生のアルバイトよりも低くなるケースもあります。関西の比較的都会の病院でも大学の初任給が16万円からといったことも。そういった病院はなかなか新規採用も決まらず、栄養管理がまともにできていないことが考えられます。
病院勤務の経験があると、出産後や育児の際に一般的なパートよりも時給が高いことも多く、働くメリットは高いといえるでしょう。
400床の総合病院(新卒)
月給 | 基本給 19万円 |
+資格手当 6千円 | |
+残業代 3〜8万円 | |
合計 22.6〜27.6万円 | |
賞与(年二回) | 40万円 |
年収 | 340万円 |
年間昇給額 | 2,000円/月 |
コメント:新卒一年目の病院で、管理栄養士にしては給料はそこそこよかったと思います。しかし残業が多く100%支給されていたわけではないので年収はこの程度でした。私が入職した年に病院の建て替えがあり、あまり患者を入れられなかったため賞与は低かったですが、次年度からはもう少し貰えています。こういった総合病院は何かと勉強代で出費が多いので、あまり自由にお金を使えることはなかったです。 |
50床の一般私立内科病院(役職あり)
月給 | 基本給 14万円 |
+資格手当、役職手当など 12万円 | |
残業代 なし | |
合計 26万円 | |
賞与(年二回) | 60万円 |
年収 | 370万円 |
年間昇給額 | 2,000円/月 |
コメント:基本給がかなり低いですが、役職の手当などで実際の収入額はそれなりに高かったと思います。しかし、賞与は病院の収益に左右されるので、基本給が低いと年収が不安定になりがちになります。この病院の場合は残業がなく、休日鵜数も多かったので働くことに関しては苦がなかったです。 |
40床の糖尿病専門病院
月給 | 基本給 14.5万円 |
+資格手当 13万円 | |
+残業代 3万円 | |
合計 30.5万円 | |
賞与(年二回) | 50万円 |
年収 | 416万円 |
年間昇給額 | 2,000円/月 |
コメント:この病院も基本給は低かったですが、経験給が加算されたため給与はかなり良かったと思います。しかしコロナの影響を受けて、病院の運営が傾いていたので、次年度より残業が制限されたため2〜30万円ほど年収が下がりました。 |
休日数(月) | 6〜10日 |
年間休日 | 75〜128日 |
特別休暇(夏冬休暇など) | 0〜10日 |
※ハローワーク調べ
病院管理栄養士の休日数は個々の就業規則によりますが、完全委託をしている病院は比較的休みも多く、正月休みなどもしっかりと取得できます。給食を委託していない病院でも規模が大きければ休日も多い傾向にあり、規模の小さい病院は比較的休日が少ない傾向にあります。それは栄養士が一人は出勤していないといけない場合が多く、栄養士の人数が元々少ない病院ではどうしても休みが取りにくいといった理由があります。
給食を委託していれば、委託給食会社側の栄養士が在中しているので土日祝や正月なども病院側の栄養士が休むことができます。病院で働きたいと熱意のある人は休日数の少ないところでもいいという人もいますが、給料と休日数の兼ね合いは考えた方がいいと思います。モチベーションも上がりませんし、極端に休日数が少ない病院は体力が続かないので止めた方がいいと個人的には思います。
また栄養士の少ない病院でシフト制の場合、行きたい勉強会などが土日に開催されている場合も多くあり、なかなか勉強したくても時間がとれないこともあります。私の場合は、休日数や給料に関して妥協したくなかったので比較的休日数や給料に関しては待遇が良かったと思います。
連休に関して
病院の管理栄養士でも連休が取りやすい職場とそうでない職場があります。給食を完全委託している病院の場合、一般職と同じようにGWや正月も長期の連休が取れますが、委託していない場合は誰かが出勤する必要があるため、正月やGWに長期で連休を取るのはなかなか難しいことがあります。しかし給食を委託していない病院でシフト制だったとしても、栄養士の在籍している人数によっては長期連休を比較的取りやすい病院もありますので一概にはいえません。
有給に関して
有給に関しては一般の中小企業と比べると病院の場合、規模に関わらず取得しやすいといわれています。医療関係者の多くは女性で、子どもがいることがほとんどのためです。毎年10日前後は有給を使用している病院管理栄養士も数多くいます。また私の働いていた三つの病院でも有給は使いやすかったです。
筆者の場合(年間休日数と有給の使用)
400床の総合病院
年間休日数:120日 + 夏休3日 冬休3日
計126日
有給が年7〜8回程度使えたので、実質は135日程度の休日がありました。
51床の私立病院
年間休日数:104日 +夏休3日 冬休5日 春休3日
計115日
有給は完全消化だったので126〜130日程度の休日数がありました。
40床の専門病院
年間休日数:128日
有給使用は年間10回は使用していたのでかなり休みが多かったです。
クリニックや診療所は病院と違い、ほとんどの場合入院患者の受け入れを行っていません。管理栄養士がそういったところで働く場合は給食業務がないため、外来の栄養指導や受付業務などを主に行います。基本的には受付業務などの事務を行い、その合間に栄養指導を行っているところが多いようです。
最近では整形外科や美容クリニックなどでも管理栄養士の募集があり、患者に対して美容や健康のための食生活について栄養指導を行っているところもあります。給与ベースも比較的高いですが、ほぼ一般的なサービス業と同じく働く時間が長いためなかなか人が続かないことも。
基本的な病院管理栄養士の就業時間帯 6:00〜20:00
給食を委託せずに病院側の栄養士が管理している場合は、早出、日勤、遅出の勤務が一般的です。基本的には提供する食事の最終チェックは栄養士もしくは管理栄養士が行うので、厨房を委託していない場合、朝食や夕食のチェックをしなければならないためです。
委託している場合病院の場合は、9:00〜18:00といった日勤のみというところも多く、休日は土日祝日か日祝休みで土曜日は隔週で半日出勤などがほとんどです。
栄養科は残業が多いことで有名で、定時で帰れる病院は少ないと思います。多いところでは月に100時間を超えるところもあります。早出のある病院は、朝も早く帰るのも遅くなったりするので、かなりのハードワークになります。特に総合病院のような入退院が激しいところでは、急な患者の対応に追われ、事務作業の時間が取れないこともあるため残業が多い傾向にあります。
また厨房のパートが不足している病院も多く、本来業務に含まれていない場合でもせざるを得ない状況になることがあるのでどうしても残業が増えてしまいます。私の働いた病院で最も多かったのは月に120時間以上残業があったなんてケースも。
病院の管理栄養士でも大きな系列の病院であれば、稀に異動がありますが、転勤はほとんどないといってもいいでしょう。全国に展開している徳洲会病院のようなところであれば、本人の希望で沖縄の支店病院に勤務ができたりといったケースがあります。
また病院にデイサービスや老人ホームが併設されていて、人が不足している場合は異動させられる場合もあります。