栄養士の転職活動と給料交渉

栄養士の転職活動と給料交渉

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元病院管理栄養士である管理人が実際に経験した転職活動を元に給料交渉などを記事にしました。前職ではホワイトな職場だったので、一年のブランクはありましたが給料と休日数は落としたくありませんでした。私の場合年齢も考慮して商品開発の企業なども視野に入れ転職活動を行いました。

 

一年ほど海外へ留学していたので、一年のブランクがあり、また実家から以前住んでいたところはかなり遠く飛行機か新幹線がないと行けない距離のため、コロナ渦の中、県外への就職活動を行っていました。結果的に県外から書類を送ってもほぼ書類選考で落ち、引っ越しを先に決めてからは全て面接まで進みました。※こちらから断った求人は除く

 

実際に給料交渉ができた求人は7つ中2つのみです。※書類選考までは他にもいくつか受けていますが、あまり特徴のない職場だったので記載していません。栄養士の転職活動でコロナのこともあり、なかなか給与交渉できる職場がありませんでしたが、結果的には交渉の上、前職と同等の給与を頂ける病院に決まりました。

 

こちらの記事も参考に⇒栄養士を辞めたと考えている方へ

 

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経歴と前職給与

 

経歴

 

急性期病院:3年

 

調理関係:1年

 

慢性期病院:4年〜(役職あり)

 

海外留学:1年

 

最終職歴の給与(慢性期病院)

 

年収:370万円

 

月収:26〜27万円

 

残業:年4〜5時間

 

休日:120日程度

 

 

五年ぶりに栄養士として転職活動して思ったこと

 

給料交渉の方法

 

実際に受けた求人と詳細

 

 

 

1、従業員食堂の委託給食会社

 

仕事内容: 献立作成、PB商品の開発前職等

 

給与: 年収350万円〜

 

休日数: 120日

 

固定残業代有: 月20時間

 

求人元: 大手転職サイト

 

(2020年5月頃)

 

イメージ的にはタニタ食堂に似ています。年収と仕事内容に惹かれ応募しましたが、かなりの応募者数がいたようでWEBで面接をしましたが一次で落ちました。委託給食会社で働いた経験がないと厳しかったようで、休日数の多さと給与から他の委託会社に勤めている栄養士もかなり応募していたのではないかと思われます。

 

ただ、個人的に面接の担当者(人事.男性)の服装、髪型や話し方がかなり気になりました。かなり着崩した格好でノーネクタイ、シャツは二つほどボタンを開け、スーツはヨレヨレ、髪型はパーマヘアーで話し方も敬語に慣れていないようでした。あまり若そうにも思えなかったので個人的には良い印象はなく、そこまで乗り気にはなっていませんでした。

 

またこのご時世に新たに求人を応募することに疑問を持ちました。ちょうどコロナで緊急事態宣言が出されていた期間で、従業員食堂のみで委託給食を行っているため、赤字は避けられない状況だったからです。事実、他の委託会社で働いている方も従業員食堂の業態でかなりの赤字が出たとおっしゃっていたので。

 

この時期はほとんど求人が出ない状況で、退職を考えていた方もご時世柄踏みとどまっていたようにも思えますので、タイミング的に退職者が出たこと自体がブラック企業なのかと思われました。給与に関しては交渉もできないようで、先にこの程度ですと決められていました。

 

比較的新しい企業だったので、ブラックかどうかの判断は口コミなどを見る限りできませんでした。

 

2、リハビリ専門病院

 

仕事内容: 献立作成、栄養指導等

 

給与: 年俸制 310〜380程度

 

休日数: 125日

 

固定残業代無し

 

求人元 : ハローワーク

 

(2020年6月頃)

 

リハビリを専門とした病院で、管理栄養士を二名増員という形で応募していました。恐らく、応募内容的にかなりの応募者が居たのではないかと思われます。年俸制も場合によってはマイナスな印象ですが、病院でもボーナスの上下があるので個人的にはそこまで低くなく年俸制だったので応募しました。

 

書類選考で落ちてしまいましたが、その原因の一つに県外に住んでいたためかと思われます。この時期に受けた病院や老人ホームは全て書類選考で落とされてしまったので。また未経験可求人だったので、第二新卒くらいの若い世代を育てていくという名目だったのかもしれません。

 

このタイミングで二人も増員というのは経営的にも上手くいってるいるという印象でした。リハ栄養はまだまだこれからといった印象で、比較的良い求人だったと思います。

 

3、大手スーパーの商品開発

 

仕事内容: 惣菜、PB商品の開発

 

給与: 年収350万円〜

 

休日数: 120日

 

固定残業代有 月15時間

 

求人元 : 大手転職サイト

 

(2020年6月頃)

 

栄養士とは直接関係のない職種ですが、将来性を考え応募してみました。かなり大手のスーパーで、毎年黒字経営、実際に私もよく使っていましたがなかなか価格帯も安く、品揃えも良いスーパーというイメージでした。書類選考で合格、その後説明会と面接日が同日にあり、その面接通過すれば最終面接といった流れで、私は一次でお断りしました。

 

というのも、やはり商品開発で募集をかけていても一年間は店舗勤務だったためです。商品知識を勉強するためということならいいのですが、若干怪しいと感じました。店舗勤務の社員が欲しかっただけかな?と感じました。

 

ただ大手のスーパーだけあって福利厚生はしっかりしているようで、増収で臨時ボーナスも頻繁にあるようでした。実際はかなりきつい仕事かもしれませんが、後々商品開発に携われる可能性もあったため安定して働きたいという方には良いのかもしれません。

 

面接の雰囲気は軽い感じでしたが、やや古い企業だけあって年功序列の雰囲気が否めませんでした。給与に関しては中途採用の場合、基本的には一律のようでした。

 

4、宅配弁当のベンチャー企業(管理栄養士募集)

 

仕事内容 : 求人上は商品開発

 

※実際は工場勤務要員

 

給与: 年収〜300万円

 

休日数: 120日
※実際は140日?※工場勤務のため記載内容と異なる

 

固定残業代有 月10時間

 

求人元 : 大手転職サイト

 

(2020年6〜7月頃)

 

年々増収を続けているベンチャー企業で管理栄養士が監修したレシピの冷凍弁当宅配を売りにしている会社です。成長途中の企業らしく、工場は常に人手不足でそれを補うための管理栄養士採用ということでした。

 

面接でも、そう年齢の変わらない人事部の方は敬語ではなく、かなり印象が悪かったです。給料に関しても経験問わず一律で固定残業代込みで300万円いくかわからない程度と言われました。給料に関しては自信がないのか、最後まで面接官側からの話はなく、こちらから聞くまで一切触れようとはしませんでした。

 

他の記事でも触れますが、管理栄養士が商品開発の分野でまともに働くのであれば大手の企業に新卒で入るのが最も確率が高いです。内定は頂きましたが、すぐにお断りしました。

 

5、社会福祉法人の特別養護老人ホーム

 

仕事内容 : 管理栄養士業務全般
※給食は委託

 

給与: 年収300万円前後

 

休日数: 107日

 

固定残業代無し

 

求人元 : Indeed

 

(2020年7月頃)

 

その地域では10近くの事業所を有する社会福祉法人で福利厚生は良いものの、給料は低めでした。面接の雰囲気も良く、働いている管理栄養士の方も感じは良かったです。ただ、社会福祉法人では給与規定が固定されている場合が多く前職の給与考慮はできないようでした。

 

その特養では年間2000円程度の昇給のため、私の場合は5年間の経験があったため新卒採用の給与+10000万円程度でした。月収で21万円程度になると言われました。ブラックな職場ではないようでしたが、給与に関してはその地域ではかなり低い方だと思います。

 

内定を頂きましたが、お断りしました。

 

 

6、300床程度の脳神経外科専門病院

仕事内容 : 管理栄養士業務全般、給食管理、栄養管理、NST等は行っていない

 

※給食は直営

 

給与: 年収330万円前後

 

休日数: 115日

 

固定残業代無し

 

(2020年7月頃)

 

この病院では脳神経外科専門と珍しい求人でしたが、面接ではなぜか管理栄養士の方は同席せず、事務の方だけでした。基本的にリハビリがメインのようでそこまで専門的な栄養管理は行っておらず、食形態の選択などで管理栄養士が他業種と関わるといった業務内容でした。

 

給与や休日に関してはそこまで悪くはなく、その規模で給食を直営運営しているだけあって運営面は悪くなかったようです。恐らくですが、面接時間が昼前だったので厨房に入っていたのかな?と思われます。

 

管理栄養士は四人体制で一人欠員が出るための募集でした。給与に関してはある程度考慮していただけるということでしたが、お断りしたため詳細は不明です。管理栄養士がいない面接というのも初めてで、やや業務内容も不透明に感じたためお断りしましたが、福利厚生は悪くないようでした。

 

7、専門病院

 

仕事内容 : 管理栄養士業務全般

 

給与: 年収300〜400万円

 

※前職の給与考慮あり

 

休日数: 120日以上

 

固定残業代無し

 

(2020年8月頃)

 

私が実際に就職が決まった病院です。あまり詳細は言えませんが、面接には医師も参加、どのような勉強をメインにしていきたいかを細かく聞かれました。また、給与に関しては面接でほぼ内定を頂けている感じで、その場でどの程度考慮してくれるかを教えて頂けました。

 

ほぼ前職と同程度の年収となりますが、やや下がります。それでもかなり考慮してくれたようでブランクがあれど前職と同程度の年収を提案して頂けたのはそこだけでした。自分がやりたい仕事とそこでやれる仕事が合致したための採用と給与考慮だと思います。

栄養士の給料交渉

 

給料交渉については、前提として職場によっては給与規定により

 

そもそもできない決まりとなっているところも多々あります。

 

今回の転職活動だけではなくこれまでの経験上、役職ではない求人の場合で大きな法人だとなかなか難しいように思います。

 

知り合いの栄養士でも前職の給与を考慮してくれる職場は例えば、特別養護老人ホームの一人栄養士であったり

 

規模の小さい私立病院などが多いです。

 

ハローワークの求人においても前職の給与を考慮すると記載している場合とない場合があります。

 

もしある程度経験がある場合はハローワークの担当者に電話応募の際に聞いてみてもらうのも手だと思います。

 

源泉徴収票は捨てないように

 

前職の収入がわかる源泉長徴収票の提出をお願いされることがありますので、源泉徴収票はしっかりと管理しておきましょう。

 

給与の交渉をした際には高確率で確認されます。

 

面接の時点でうまくいけばその場で「お持ちですか?」と聞かれる場合もありますので、できれば面接の際に持っていくといいでしょう。

 

給料については必ず面接の途中で聞きましょう。

 

面接官から聞かれる場合もありますが、聞かれない場合は自分から必ず聞きます

 

とりあえずは「給料についてお聞きしたいのですが」で大丈夫です。

 

考慮してくれるかどうかはその場で大抵わかります。

 

管理栄養士の転職で求人者側から具体的な金額の提示を行うことはあまりないでしょう。

 

どちらかといえば前職の年収より上がるか下がるかといったような提案をされることが最も多いです。

 

具体的な金額の提示があるとすれば余程専門的にNSTを行っていた経験があったり、規模の大きい職場で役職を務めていて

 

転職の際にも役職候補として働く前提の転職活動の場合に限るかもしれません。

 

又は経験上、絶対的な自信があり、雇用者側からも働いてほしいと思われるような立場でなら具体的な給料交渉も可能でしょう。

 

そうでもない場合はどの程度の収入が欲しいか聞かれた場合のみ、具体的な収入を提示するといいでしょう。

 

あまりに高収入を望み過ぎると印象が悪くなるだけで、そもそも内定すらもらえないといった結果も考えられます。

 

給与交渉がうまくいくパターン

 

自身の経験と雇用者側が求める人物像が合致してる場合は給与交渉がしやすいかと思います。

 

逆にどれだけ専門的な栄養管理を行った経験があってもそれほど専門性を求めていない職場の場合、むしろ断られるパターンもあるので

 

自分の経験を最大限に活かすことができ、雇用者側にメリットを感じさせるような職場選びをすると給与も自分の想定以上に高く可能性もあります。

 

スキルアップが目的と面接で言ってしまうと、むしろ給与は低く見積もられることもあるので、給与交渉もある程度考えて面接に挑むことが望ましいと思います。

五年ぶりに栄養士として転職活動して思ったこと

 

今回転職活動(正確には就活)行ってみて、コロナの影響で求人が少ないのもあったかもしれませんが、

 

五年前と比較してもあまり栄養士の待遇が良くなっているとは決していえないと思いました。

 

リハ系の病院などで増員のための募集があったりと比較的新しい分野では管理栄養士の採用も増えていますが、それでもまだまだ少ないです。

 

特に私が感じたのは昔よりもさらに人手不足解消のためだけの管理栄養士求人が増えたことです。

 

パートでもできるような工場の勤務を商品開発採用と謳い、管理栄養士で募集をかけているような企業も多かったです。

 

こういった求人が増える要因としてはやはり、平均年収が低く食の知識を持っているが求人が少ない資格職というイメージが強いためだと思います。

 

実際に応募し就職してしまう管理栄養士が少なからずいるという現状がそういった劣悪な求人を生んでいるのだと思います。

 

病院や介護施設においてもここ五年間で求人が増えたと感じたことはありません。

 

むしろ、栄養の知識も併せ持つ他職種が多くなっている印象で、

 

管理栄養士も例えばリハビリの知識であったりと専門性がさらに必要とされていると感じました。